海外出版事情

 出版人コムが海外の版権や出版情報を独自の取材と調査によって入手し、掲載していきます。
アメリカ イギリス フランス
ドイツ スペイン 中 国


●アメリカ出版事情
 アメリカは出版エージェントが活躍する国です。下記で紹介した「Copyright.Com」、「WritersNet」や次の参考文献を利用することができます。

<参考文献>
●アメリの出版社、編集者、文芸関係のエージェントのデータブック(日本のアマゾン書店で購入可))
Jeff Herman's Guide to Book Publishers, Editors & Literary Agents 2008: Who They Are! What They Want! How to Win Them Over! (Jeff Herman's Guide to Book Editors, Publishers, and Literary Agents)

サイト名 内容
Copyright.Com

http://www.copyright.com/
 「Copyright Clearance Center」 (注:著作権許諾センターというような意味)は、アメリカ合衆国の非営利の Reproduction Rights Organization (RRO)として、著作権所有者、出版社、ユーザによって設立されました。
 「Copyright Clearance Center」は、著作権の許諾を円滑に進め、著作権すなわち「芸術と科学における進歩と創造性」の合法的な利用促進を進めるための著作権許諾システムを運営しています。
 「Copyright Clearance Center」は175万点の作品の著作権を管理し、9,600社以上の出版社、膨大な数の著者およびクリエイターの代理を務めています。
 「フォーチュン100社」に選定された企業のほとんどを含む 1 万社の企業・関連会社、数千の政府機関、法律事務所、文書配信業者、図書館、学術機関、コピー・ショップ、書店に対して、著作権所有者の権利を尊重することを促し、著作権が保護された情報を彼らがビジネスに活用できるように法的に保証しています。

Copyright Clearance Centerの役割:
 国内・国外の著作権所有者および出版社の作品の複写および電子的利用に対するロイヤリティの公正な徴収と販売を行うために、効率的な集約サービスを提供すること、そして新しい情報技術の発展にしたがって集約的なライセンシング・システムを開発し、彼らのためのエージェントとして最大限に行動することをあげています。(以上、同サイトより抜粋・要約)
Copyright.Com

このサイトの案内ページ
https://www.copyright.com/ccc/do/viewPage?pageCode=i1-n
 版元に対しては、次のメリットを提供できるとしています。
Business and Government Markets
 版元はビジネスおよび官公庁分野においてロイヤリティ(印税、版権料)を増やすことができる。 Annual Copyright License(年間著作権使用料)
 「Copyright Clearance Center」が版元に代わって、1万を超える企業とその関連会社、政府機関からロイヤリティを徴収します。 これらの組織・団体・企業がコピー印刷やデジタルフォーマットで版元の作品を内部で使用するときに、それを行います。
Multinational License(国際ライセンス)
 「Copyright Clearance Center」が版元に代わってAnnual Copyright Licensees(年間著作権使用受諾者)からロイヤリティを徴収します。これらの組織・団体・企業が、全世界160カ国以上の国において従業員に対して版元の作品を使用するときに、それを行います。
Digital Permissions Service(デジタル化許諾サービス)
 「Copyright Clearance Center」 が貴社に代わってユーザーからロイヤリティを徴収します。ユーザーが版元の著作物を電子的に複製し販売するときに、それを行います。
Republication Licensing Service(再版ライセンシング・サービス)
  「Copyright Clearance Center」 が版元に代わってユーザーからロイヤリティを徴収します。ユーザーが素材、書籍、新聞・雑誌、ニュースレター・電子ニュースレターその他で再版するときに、それを行います。
Transactional Reporting Service(レポーティング処理サービス)
 「Copyright Clearance Center」 が版元に代わって、作品を複写したいコピーショップ、図書館、文書配信業者、情報ブローカー、個人からロイヤリティを徴収します。
(以上、同サイトより抜粋・要約)
WritersNet

http://www.writers.net/
 「WritersNet」は作家、編集者、出版社、文芸分野のエージェント(代理店)の情報を蓄積したインターネット名鑑(データベース)です。
 題材、ニュース、著者(作家、編集者、出版社、エージェント)のためのディスカッションの場も提供しています。
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 「WritersNet」誕生秘話
 「WritersNet」は1994年に設立された。「NetConcepts」のディレクター、Stephan Spencerが1994年版ライター・ダイジェスト『Get Writing Assignments Online』を見たときのことだった。彼はタイトルに興味を持った。その本にはライターがコンピュサーブのオンライン・フォーラムで、いかに出版社、編集者とつながりを持つことができるかについて書かれていた。Stephanは疑問を持った。本当に編集者や発行人が、力量もわからないライターとリアルタイムでチャットする時間があるのだろうか?と。

 もっと良い方法はないものか。インターネットを通してコンタクトする前に、編集者や発行人が素早く簡単に才能あるライターを発見することができるように、それを支援するデータベースを構築するのが一番いい、と彼は考えた。
 1994年12月の終わりに、「WritersNet」が構築され、様々なライター関係のディスカッション・グループに紹介された。(以上、同サイトより抜粋・要約)
WritersNet
エージェント探しのページ
http://www.writers.net/agents.html
 エージェントをキーワードで検索できるほか、国別、ジャンル別に検索することもできます。
「WritersNet」に登録するページ
http://www.writers.net/user/create.php
 作家、エージェント、編集者、出版社ならば、誰でもこのサイトに登録することができます。作家と出版社のベスト・マッチが実現するかもしれません。
世界に向けて商業出版&電子出版
 LuLu
http://www.lulu.com/
 世界に向けて自分の作品を出版できる驚異的なシステムを持つサイト。ワードやテキストデータで原稿を書きさえすれば、印刷物での出版や電子出版ができます。さらに、このサイトで販売、代金回収、印税支払いまでやってくれます。
 ただし、日本語では発行できません。そういう場合は、日本でも同様のサービスを行っているサイト、「ホンニナル出版」がありますので、そちらを利用することができます。

●イギリス出版事情
 イギリス・ロンドンのブックフェアの最大の特長は、世界中の言語で発行された出版物情報を英語で入手できるところにあります。 ロシア語、中国語、スペイン語、ペルシャ語など世界各国の優れた出版物を英語で探すことができます。 さらに、世界各国から出版社、編集者、エージェントが商談に訪れますので、ビジネスチャンスをつかむことができます。

London ブックフェア
http://www.londonbookfair.co.uk/

 2007年4月に開催されるロンドン・ブックフェアのホームページ。
London ブックフェア −ビジネス情報 http://www.londonbookfair.co.uk/page.cfm/Link=160/t=m/goSection=28
 このページではイギリスの出版業界の現状について紹介されています。 以下、その抜粋・要約をご紹介します。
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 2005年のイギリス出版業界の現状
 2005年、イギリスの出版社は国内で4億5900万冊の本を販売した。 2004年に対して1.9%のダウンとなった。 2001年から2005年にかけて、国内販売の請求金額ベースでは18億ポンドへと1%上昇した。 この5年間に全体として7%成長した。 これはPublishers Associationの新刊のデータによる(「UK book publishing industry statistics yearbook 2005」調査)。
London ブックフェア −新進作家に原稿の売り込みを伝授するページ
hhttp://www.londonbookfair.co.uk/page.cfm/link=157
 ターゲットにするマーケット、原稿の書き方、著作権などについて簡単なアドバイスがあります。
London ブックフェア −イギリスで出版社を設立する方法
hhttp://www.londonbookfair.co.uk/page.cfm/link=154
 出版するジャンル、社員の雇用、最初に取るべきステップなどについて簡単なアドバイスがあります。
London ブックフェア −出展者リスト
http://www.londonbookfair.co.uk/page.cfm/Action=ExhibList/t=m/goSection=3
 ロンドン・ブックフェアの出展者リストを国別に検索することができます。 日本からは、すでに「Tuttle-Mori Agency Inc」がエントリーされていました。
The Publishers Associationのホームページ
http://www.publishers.org.uk/paweb/paweb.nsf/pubframe!Open
 「Publishers Association」はイギリス国内の書籍、雑誌、電子出版社の利益のために活動している主要な団体です。
 「Publishers Association」の目的は、イギリスの出版業界の着実な発展を追求することです。
 この団体は出版の全分野に対して部門を通してサービスを提供しています。 例えばインターナショナル部門は会員企業の国際的な販売活動をサポートしています。 著作権侵害に対抗し、著作権問題、貿易障壁などを解決すべく、国際見本市で貿易使節団およびイギリス代表を組織しています。
The Association of Authors' Agents(AAA)
http://www.agentsassoc.co.uk/
 出版エージェントのボランティア団体として設立。エージェントと著者の利益を代表し、業界基準を守るために活動しています。 著者は直接この団体にコンタクトすることはできませんが、間接的にメリットを得ることができます。
 次の行動基準を持っています。
1.全会員のために業界基準を整備すること。
2.実践内容は、業界を取り巻く問題を論議すること。エージェントは常に出版社からのプレッシャーの下にあり、様々な問題を改善していく必要がある。
3.他の専門団体やメディア業界と議論を重ねながら、出版エージェントの観点を代表するための媒体を提供すること。
 エージェントに直接コンタクトを取りたい場合は、次のサイトか下記に紹介するガイドブックを閲覧し、その中から探すのがよいでしょう。
「The Writers' and Artists' Yearbook」のホームページ
http://www.writersservices.com/agent/

<参考書籍>(日本のアマゾンから購入可) 
The Writers' and Artists' Yearbook
Published by A&C Black

The Writer's Handbook
Published by Macmillan

●フランス出版事情
 フランスにはBIEFという出版社の団体があります。フランスの出版物を外国に販売促進することを目的に創られた団体です。
 フランスで発行された書籍は、2001年の例を取ると約4万点の新刊が発行され、23.5億ユーロの売上げがありました。
 フランスで発行された書籍の内、約7,000点が外国で翻訳・出版するために版権を販売されています。
 BIEFが運営するサイトには、フランス語のほかに日本語、英語、中国語のページが用意されていますので、日本語で閲覧したり検索したりすることができます。
フランスの出版業界についてのニュースと情報
http://www.bief.org/?&language=J
 フランス国内2,000社以上の出版社がこのサイトのウェブ・カタログ(データベース)に入力しています。
 このウェブには外国で翻訳・出版を希望する出版社が、直接版元と交渉できるページが用意されています。版元を検索後、そのページを開くと、コンタクトを取るためのデータを入力し送信ボタンを押すと、その版元の担当者にメールが送信されます。
 この手続きが日本語でできるようになっていますが、やはり英語でやりとりしたほうがよいのではないかと思われます。
ジャンル別の書籍検索ページ
http://www.bief.org/index.cfm?fuseaction=C.main
 フランスで発行された書籍がジャンル別に掲載されています。
フランスの出版社の検索ページ
http://www.bief.org/?fuseaction=annuaire.main
 フランスの出版社がジャンル別およびABC順に掲載されています
フランスの書籍を扱っている世界中の書店の検索ページ
http://www.bief.org/?fuseaction=annuaire.LE
 フランスの書籍を扱っている世界中の書店が国別に掲載されています。
フランスの出版社にコンタクトを取りたい世界中の出版社
http://www.bief.org/?fuseaction=annuaire.LE
 フランスの出版社にコンタクトを取りたいと思っている世界中の出版社が国別に掲載されています。

●ドイツ出版事情
 ドイツでは「フランクフルト・ブック・フェア」で構築されているデータベースが充実しています。これを活用すれば、有益な情報収集および現地の版元とのコンタクトが可能になります。
ドイツ文学オンライン
●German Literature Online

http://www.litrix.de/
●同英語ページ
http://www.litrix.de/enindex.htm
 ドイツで発行されている書籍とその著者、雑誌の情報を入手することができます。
フランクフルト・ブック・フェア
http://www.buchmesse.de/en/portal.html
 「フランクフルト・ブック・フェア」はドイツ最大のブックフェアで、毎年定期的に開催されています。
 次のデータベースを備えており、全世界の情報を検索することができます。
 版権を獲得するために活用できるだけではなく、自社の情報を登録することによって、海外の出版社に版権を販売する機会を得ることができます。登録すると月刊でレポートが送られてきます。

 このサイトには次のメニューがあります。
・Frankfurt Catalog
 114カ国、8000社のデータがあります。7300個のeメールアドレス、5500の企業サイトへのリンク情報などが蓄積されています。
・Frankfurt Who's Who
 16,000社の出版社およびメディア専門家の情報−地位と肩書き、eメールアドレス、電話番号等−が登録されています。
・Frankfurt Rights Catalogue
 フランクフルト・ブック・フェアのタイトル・ディレクトリです。
 70カ国から55カ国語の19,000以上のタイトルが版権情報とともに蓄積されています。
●スペイン出版事情
 スペインでは「スペイン書籍出版連盟」が充実した活動を行っています。一度そのサイトを訪れて、充実したデータベースを閲覧してみてください。 
スペイン書籍出版連盟
Spanish Association of Publishers Guilds
http://www.federacioneditores.org/Ingles/
 スペイン書籍出版連盟のサイトです。スペインの出版事情や出版社情報を入手することができます。
メニューの「Directories and search」で版元や出版物の情報を検索することができます。

 以下、2006年7月7日東京国際ブックフェアで行われたヨーロッパ版権セミナーで得た素ペンの情報をご紹介します。スペイン書籍出版連盟から来た担当者の話を要約したものです。
 スペイン国内では年間約30万タイトルの書籍が発行され、その売り上げが約30億ユーロあります。
 そのうち外国との出版関係の取引が7億ユーロあり、そのうち4億ユーロが版権取引になります。
 スペインは幼児向け、青少年向け出版物に力を注いでおり、その総合カタログ(データベース)がすでに製作されています。
 現在、文学の総合カタログの製作も進んでいます。他分野にもそれを拡げていく予定です。

 スペインで発行された書籍を外国で翻訳して出版したい場合、翻訳希望の会社がスペインの版元と直接交渉するのが普通です。
 ロイヤリティはそのときの状況に左右される場合が多いので、一概に数字を挙げることはできませんが、ごく一般的な例を挙げるとこうなります。
 小説の初版の場合、定価×発行部数の8〜10%がロイヤリティ。
 上記の金額の50%が前払い。
 契約期間は3〜5年。
 また、イラストがある場合とない場合では条件が変わってきます。

 スペインでは非常に優れた絵本がたくさんあります。デザイン、建築、工芸、教育関係でもいい本がたくさんあります。日本での出版を検討していただきたいということでした。
●中国出版事情
中国の出版事情は、次の引用がよく表しています。

中国の図書輸入と輸出はほぼ9対1の割合で輸入が多い。2004年は、版権取引で同7対3、現物取引で同8対2と、輸入が輸出を上回った。 ここ数年は、中国医学や漢方薬、食べ物に関する図書の輸出が比較的増えている。世界全体を覆う中国ブームの高まりに連れて、中国語学習教材の輸出も盛んだ。 ただし、中国から輸出される書籍は依然として「道徳経」「孫子兵法」「論語」など古典が大半を占める。先進国と比較すると、書籍の輸出量は格段に少ない。
「人民網日本語版」 2005年10月28日
中国著作権法(日本語訳)
http://www.kingsound-ip.com.cn/dojp/cwlaw.htm
 中国は社会主義国であり海賊版がはびこっているところから、中国の著作権管理については多くの日本人が不安を持っています。 しかしながら年々中国の著作権法も整備されてきます。
 このサイトでは中国著作権法を日本語で読むことができます。
国家版権局 http://honyaku.yahoofs.jp/url_result?ctw_
=sT,eCR-CJ,bT,hT,uaHR0cDovL3d3dy5uY2FjLmdvdi5jbi8
=,qlang=ja|for=0|sp=-5|fs=100%|fb
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 中国の著作権は国家管理局が管理しています。その活動内容を翻訳機能付きのこのサイトで知ることができます。
中国の版権保護の状況(日本語訳) http://www.china.org.cn/japanese/178776.htm  中国では版権保護を年々強化しています。そのレポートです。
日本貿易振興機構(JETRO)北京センター 知的財産権部
「2005年度 中国知的財産権保護状況白書」

http://www.jetro-pkip.org/teji/bps20060531.htm
 JETROが中国の著作権保護について詳しい情報を持っています。 実際に中国企業と版権売買を行う前に、一度JETRO北京センターと相談するのがよいと思います。
連和連知識産権代理有限公司
http://www.lianandlien.com/main.htm
 中国の著作権エージェント(知識産権代理)はすべて国家の承認を得た会社(有限公司)になります。 インターネットで検索するとたくさんヒットしますが、次の会社がその一例です。
「連和連知識産権代理有限公司は中国国家知識産権局及び国家工商行政管理総局に承認された渉外特許代理機構であり、国内外に向け、知的財産全般に亘る代理業務を行い、 クライアントに高質なサービスを提供しております」(同社ホームページより)。