夏のナーンタリに闇夜はない
ナーンタリは、フィンランドの首都ヘルシンキの北西180キロ、ボスニア
湾に面した保養地である。東西南北2キロ程度の半島に位置する小さな港
町でもある。家族連れに人気のあるムーミンワールド(島)もあり、夏の
キャンプ場、コテージなどが随所にある。
この国では、郊外に山小屋と称するサウナ付きの別宅を持っているのが 普通のことである。週末や夏季は家族で別宅で過ごす。6月から8月にかけ て会社員、公務員、自営業者など一般の国民は2ヶ月程度の夏休みをとる。 夏休みは私達のように、あちこち旅行するひとは少なく、ゆっくり郊外の 家ですごすひとが多いようである。 フィンランドは北緯60度より北にあり、アラスカとほぼ同じ緯度に位置 している。夏季は日没が午後11時以降、日の出は午前3時以前で真っ暗な闇 夜になることはなく白夜である。1日中昼間のようであるが、一般のお店 などの営業時間は、昼ごろから夕方4時ごろまでである。 日の出の方向を磁石で確かめてみた。当然南と予想したが、驚くことに 北の方向に太陽があった。磁石が狂っていたのか、白夜の幻想なのか判然 としない。歴史的には永い間、民族と宗教が激しく対立した経緯がある。 ナーンタリは、厳しい冬の寒さから開放された喜びを祝い、次にくる長 く暗い冬に備える休養の地でもある。太陽の恵みも世界で公平ではない。 ナーンタリの町でブックショップをみつけた。海に関する本と世界の海図 が大型書店なみに充実していた。本好き人間は、どこにでもいることがわ かり嬉しくなった。多分、白夜の夏ではなく長い夜が続く寒い冬に本に親 しんでいるのだろう。 ●前のページへ |