こらむネタ帳 久和山武輝

レコードが売れないけれど

 音楽CDの販売不振は深刻である。3年連続して、前年比で約10%減少し ている。日本レコード協会によると、最盛期にはCDの生産量が4億5000万 枚を超えていたものが、2001年には3億6900枚に落ち込んだという。レコ ード業界は、大手のレコード会社20社ほどが主導し、全国約8000店のレ コード販売店が支えている業界である。
 レコード販売店も大型チェーン店と外資系だけが生き残り、独立系の 近所のレコード店は閉店が続いている。書店業界と同様な状況にある。 レコード会社のなかでも、元気のあったエイベックスも初の赤字決算と なる見通しである。業界最大手のソニー・ミュージックエンタテイメン トも創業以来初の赤字決算を経験している。レコード各社は売上減によ り、リストラや人員整理に追われ、契約のアーティストを減らしている。 著名な歌手も契約を解除され、ニュースにもなっている。
 レコード業界の販売不振には、いろいろな原因があげられている。娯 楽の多様化やネットによる音楽配信、違法なコピーの増加などである。 おもな購買層である若い世代の小遣いがケータイの使用料に消えてしま うのが原因かも知れない。
 いっぽうで大手には属さない、いわゆるインディ系には元気なものが ある。そうした作品がレコード店の片隅に置かれていることがある。自 分で作詞作曲し、自ら演じて制作出版する方式である。ひとりか数人の グループでお金を出しあい、自分たちが納得した作品をつくるのである。 本の出版で言う自費出版に似たやりかたである。
 お金の工面さえできれば、だれにでもできる。制作はできても実際に 売るのは、なみたいていの努力ではできないだろう。それでもチャレン ジするインディ系の音楽アーティストにエールを送りたい。制作の資金 を回収できることもあるし、まれにはヒットすることもある。とにかく 発表しなければ、だれにも作品の価値は認められないのである。作品の 発表の場は多様化している。たぶんいい時代なのだろう。

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