いま、新聞広告は
新聞は、全国紙から業界紙まで広告を掲載しなければ経営は成り立たな
い。だから、広告収入の減少は死活問題となる。このまま不況があと数年
続けば、大手新聞はともかく中小新聞のなかには「倒産」、「廃業」、あ
るいは「縮小」を迫られるところも出てくるのではないか、と余計な心配
をしてしまう。
ある夕刊紙記者は「この数年、うちの新聞も広告が減り続けている。し かも、掲載される広告はサラ金や風俗関係ばかりで、まともな企業の広告 はほとんどないからね」と打ち明けてくれた。その新聞はサラリーマンが 仕事を終えて、会社から開放されてから読むのだから、遊び場情報が氾濫 していても、それはそれでいい。 広告主の様変わりは夕刊紙に限ったことではない。全国紙でも、以前は 掲載されていなかった消費者金融の広告もひんぱんに見かけるようになっ た。さすがに、夕刊紙のような女性の顔写真をズラリと載せた風俗関係広 告はシャットアウトしているものの、はたして何%の読者がその会社名を 知っているのだろうか、と思われるような怪しげな通販会社などの広告も ときどき登場する。全国紙といえども一流企業やブランド企業にこだわっ ていては、広告は集まらないという状況になっているのだろうか。 電通がこのほど発表した「2001年 日本の広告費」によると、01 年の新聞広告費は約1兆2000億円で、前年より3.6%も減少し、2 年ぶりの前年割れとなった。これは、全国紙、業界紙の広告料や広告制作 費を合わせた金額だから、文字通りわが国の新聞業界全体の広告市場とい うことになる。不景気は新聞業界にも容赦なく直撃しているようだ。 業種別にみると、前年より広告費が増えているのは、21業種のうちわ ずか4業者だけ。つまり、ほとんどの業種で広告出稿を抑制していること になる。「経費を節減するときは、まず広告費を削れ」という会社経営の ”常識”がデータでも証明されたことになる。 最新のデータによると、新聞広告費の多い業種ベスト3は、「交通・レ ジャー」、「出版」、「金融・保険」の順となっている。旅行会社のパッ クツアーや、出版社の雑誌広告は、読者にも馴染みのある「定番広告」な ので、納得できるものだ。 しかし、「金融・保険」については、「そんなに多いの?」と思われる 向きも多いのではないか。それもそのはずで、10年前はベスト10にやっ とランクされるかどうかの脇役にすぎなかったのである。 ところが、この業種はバブル崩壊後に伸び続け、5年前には6位に浮上 し、さらに昨年は3位にまで躍進、新聞業界を支える広告三本柱にのし上 がってきたのだ。 いうまでもなく、「金融・保険」とは、銀行、証券、保 険、消費者金融、クレジットカードなどを指すのだが、現在広告出稿の主 役になっているのは、もちろん消費者金融、つまりサラ金である。 ちなみに、雑誌では「金融・保険」は9位、、テレビでは7位にとどまっ ており、いかに新聞の広告収入がこの業種に依存しているか、おわかりい ただけるだろう。 消費者金融を否定するつもりはなく、むしろ新聞広告の情報をうまく活 用すれば、いざというときにありがたい助っ人になると思っている。だが、 全国紙をはじめ新聞各紙が広告面で、サラ金を大スポンサーとする流れに なりつつあることには、新聞に愛着を持つ一読者として、またフリー記者 として、ちょっとさびしい思いがする。 |