はぐれ記者のマスコミ見聞録  植野満

許されない誤差


 いいかげんな予測報道はやめてくれ! 最初から怒りの文面になったことをお許しいただきたい。今回の衆議院議員選挙における一部のテレビ局の予測議席数の報道にいまも許せない気持ちでいっぱいだ。
 くだらないテレビ番組が多いなかで、選挙速報は楽しみにしているひとつの番組だ。その日、投票締め切りの8時から、テレビの前に座ってテレビのリモコンを握っていた。各チャンネルを見回すと、なんとビックリするような「議席獲得予測」が早々と出ているではないか。そのテレビ局によると民主党の議席は「200」を軽く超えており、自民惨敗の雰囲気となっていた。「よし、面白くなりそうだ」と自分でもテンションが上がるのが分かった。
 ところがである。開票が進むにつれて民主党の獲得議席数の予測をドンドン下げはじめたのである。結局、最終的な議席獲得数は自民党が237議席、民主党が177議席となり、民主党の躍進ぶりが目立ったものの、自民党も惨敗という結果にはならなかった。つまり、政権交代には至らなかったことはご承知の通りだ。それにしても、そのテレビ局の当初の予測は大ハズレになったわけで、民主党についていえば「40」も少なくなったことになる。これは誤差の範囲ではなく誤報である。出口調査をもとに算出した議席数だろうが、そのアンケートを単純に獲得数として計算しただけではないだろうか。賢明な新聞、テレビ局はアンケート調査を不在者投票、調査時の投票者の特性などを考慮し、確実性を出すために「材料」を総合的に調理し、予測を出しているようだ。だからそのテレビ局の調査分析力の力量を疑ってしまう。
 実名を出す。その大ハズレの予測を流したのは日本テレビだ。もし、その予測がほぼ的中したならば、同テレビの選挙速報は快挙ものだったはずである。それだけ他局より「民主党圧勝」を大々的に報道していたのだ。
 今回の衆議院選挙にはもちろん投票に行った。いつものように夕方に投票所となっている小さな公民館に足を運んだところ、出口で若い女性に声をかけられた。「朝日新聞ですが、アンケートをお願いできますか?」と呼び止められたので、「いいですよ」と答えてしまった。最近、若い女性に話しかけられることがほとんどないので、ついアンケートに応じてしまったのである。
 「誰に投票しましたか」「どこの政党に入れましたか」「小泉首相を支持しますか」など質問項目は6項目。約30秒であっけなく記入が終わり、なんでもいいからもっとお話しをしたかったのに、アンケート用紙を渡すとそのおネエさんは次の人にアンケートをお願いする忙しさで、仕方なく家路に向かう。おそらく、その日の出口調査のためだけのアルバイト学生(主婦)だったのだろう。出口調査の対象になったのは初めてである。ちなみに朝日新聞(朝日ネット)の民主党議席の予測の誤差は「10未満」だった。
 テレビ局としては、「民主党圧勝」の報道をすれば視聴率は稼げるだろうけど、これほどいいかげんな予測報道は許されるべきではない。視聴者に謝ったのだろうか。そういえば、視聴率をあげるために視聴率の測定機器を持つ家庭に自分の番組を視てくれるように謝礼を払って依頼した番組プロデューサーがいたのも、たしか同じテレビ局でしたね。
 

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