わが家にも車がやってくる? 植野満
家族全員が車の運転免許証を持つことになった。このほど、大学生の息
子が免許証を取得したからだ。
私は20年間以上も無事故、無違反を続けており、5年ごとの更新時に
は視力検査と交通安全のビデオを見るだけの簡単な手続きで、新しい免許
証を手に入れることができる。つまり、優良運転者に与えられるゴールド
免許所有者のひとりなのである。
と言えば、いかにも安全運転を心がけている有能なドライバーのように
思われるかもしれないが、本当のことを言えばこの20年間はまったく車
の運転をしたことがない。だから無事故、無違反であるのは当たり前のこ
とだ。
さらに言うならば、わが家には車がない。つれあいと結婚してからずっ
と車のない生活を送ってきた。その気になれば中古車ぐらいは買えたのだ
ろうけど、どちらも車をほしがらなかったので、買わなかっただけである。
私が車の運転をしないのは、運転が下手であることに加えて、方向音痴
だからだ。学生のころに、お歳暮の配達のアルバイトをしたことがあるが、
地図を何回チェックしてもなかなか配達先にたどりつけず、あせりまくっ
た経験がある。このときに、「オレは運転者失格だ」と悟ったのである。
高速を走っているときに、中央分離帯に乗り上げて、横転しそうになった
こともあり、車恐怖症になってしまった。
一度は更新手続きをやめようと思ったこともあるが、つれあいから「な
にも資格を持っていないんだから、運転免許証ぐらい持っていたら」とバ
カにしたような温かいアドバイスをいただいて、現在に至っている次第だ。
この間の更新では、視力検査に備えて新しいメガネを購入し、5万円も散
財してしまった。そのメガネは更新時に使っただけで、その後は度が強す
ぎることもあって一度も使用していない。トホホ。
私もつれあいもそうだが、この春から社会人になった倹約家の娘も自分
のお金を出してまで車を買う気は毛頭ないらしい。息子だけが自分のアル
バイトで得た貯金をはたいて中古車を買う気配だ。せっかく、免許証を持っ
ているのだから、その車でまず練習させてもらうつもり。たぶん息子はい
やがるだろうけど、こちらは「ゴールド免許」だから大丈夫、と思うけど
なあ。
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