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<連載>
●出版人への道
1.作家編
  有名作家はどうやってプロになったか。
  作家になるためのいくつかの方法。
2.編集者編
  編集者になる法
●出版人養成ミニ講座
●コラム ネタ帳 など。

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発行者

出版人コム(資)
上山明彦  juku@shuppanjin.com
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PUBZINE (PDA版)ID=7930

[ 見本誌です]
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         作家&出版人育成マガジン『パウパウ』  見本号
                                隔週日曜日発行
                                1999年3月xx日発行
       発行者 出版人コム http://www.shuppanjin.com/
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<目 次>
●連載●
■有名作家はどうやってプロになったか  上山明彦
  第1話 小説教室に通いながら投稿に専念―宮部みゆき編
■<連載>はぐれ記者のマスコミ見聞録  植野 満
                 ひとりだけのカウンター
<不定期連載> 夢幻流もの書き道場  上山明彦
            作家には学歴も年齢も関係ない
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<連載>有名作家はどうやってプロになったか   上山 明彦
    第1話 小説教室に通いながら投稿に専念―宮部みゆき編
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 作家になるには、これという決まった道があるわけではありません。どこの学校を出ようと、どういう職に就こうと、有利になるわけではありません。この連載では、そのたくさんの例を集めてみようと思っています。
 それをどう役立てるかは、読者のみなさん次第です。
 わたしが宮部みゆきの本を読むきっかけになったのは、妻が彼女の大ファンで、わたしに強く読むようにすすめたからでした。わたしは日本人の作家が書く本に対して偏見のようなものを持っていましたから、シブシブ読んでみたわけです。
 話はそれますが、その偏見というのは、日本の作家の作品は私小説が多く、自分だけの世界に閉じこもった内容が多いということです。他人にとってはどうでもいいような些末なテーマについてクドクド書いているようなものが多いという気がします。
 しかし、宮部みゆきの作品は、取り上げるテーマが私小説的ではありません。「理由」とか「火車」は実際にあった事件を題材に書いています。人間社会の普遍的テーマがそこにあります。ストーリーの展開も緊迫感がありますし、主人公の心の動きやおかれた状況が目に浮かぶように描かれています。表現力が豊かで感覚が繊細だなという印象です。
 昔の推理小説の王道からすれば、彼女が多く書いている推理小説のように事件の解決を超能力に頼るというのは邪道なのかもしれませんが、解決までのストーリーが自然に違和感なく展開されていくので、思わずうなずいてしまいます。
 さて本題ですが、彼女が作家になった道について調べてみました。宮部みゆきは1960年12月、東京下町に生まれ、高校卒業後、法律事務所に勤務しながら講談社フェーマススクール・エンターテインメント小説教室に2年間通い勉強しました。その傍ら小説を書き、1987年、「我らが隣人の犯罪」でオール読物推理小説新人賞を受賞しプロ作家としてデビューしました。その後の彼女の活躍は良く知られている通りで、数々の賞を総なめしています。
 この間、宮部みゆきは懸賞にかなりの数の小説を投稿しています。短編と中編が多かったようです。法律事務所では給料が安かった反面暇だったので、おかげでたくさん本が読めたし、判例時報も片っ端から読んだと語っています。それがその後の小説の素材になったのだと思います。
 作家をめざすなら芽が出ない時でも焦らず、時間を有効に使って資料を集めたり、他人の作品を読んだりすることが重要です。それがその後の自分の成長につながります。そうは言っても、世間から認められない間は精神的に負けてしまいそうです。ひたすら自分の才能を信じて、才能を伸ばすことだけを考えることができるかどうかが、人生の分かれ道です。
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<連載>はぐれ記者のマスコミ見聞録    植野 満
                 ひとりだけのカウンター
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 地元の駅前にあった書店が姿を消し、そのテナントに居酒屋がオープンした。そのビルは五階建てで、これですべての階が居酒屋となった。
 特急も停車するほどの乗降客の多い駅ではあるが、これほど飲み屋が増えると、経営者も大変だろうなあ、と余計な心配をしてしまう。仕事で都内に出かけた帰りに、こうした居酒屋に立ち寄ると、金曜日以外の店内は半分ほどの席が埋まっている程度だ。お店が多すぎるのか、それとも飲み代を節約するお客が増えたのか、おそらく両方だろう。
 最近は、以前のように「今日はどうしても飲みたい。飲むんだ」というアルコール中毒症状は出ないので、飲み屋や居酒屋などを利用する回数は減り、そのため「なじみの店」はとくにない。また、サービスや接客態度に不満もあり、何回も通いたくなるようなお店が見つからないのも事実である。
先日、久しぶりに飲みたくなり、どこで飲もうか、と思案しながら30分以上もあちこち歩き回ってしまった。悩んだ末に選んだのは、5、6年前によく通っていた焼き鳥を売り物にしたお店だった。のれんをくぐってガラス戸を開けて店内を見わたすと、ひとりのお客もいない。「いらっしゃい」と厨房から出てきたのはママだった。
「アツカン2合。それとアジ刺し、焼き鳥一人前もらえますか」と注文すると、ママさんは「はい」と言って、また厨房に入って行った。以前は、空席を見つけ、となりのお客に「ここいいですか」と声をかけて座ったものである。混雑するお店で飲むのも疲れるが、店内でひとりだけで飲むのはわびしく、寂しいものである。
 アツカンを持ってママが現れ、「あのひとが来ているね、とマスターと話していたのよ、お久しぶりですね」。「どうも、ご無沙汰してました」。
 どうやら覚えてくれていたようだ。あの当時は、お店を手伝っていた若い女の子がいて、お互いにどうでもいいような内容のないおしゃべりをしていたように記憶している。
 そのこともママは覚えていて、こちらが聞いてもいないのに「あの子、辞めちゃったの。でも、たまにお店に飲みに来てくれるのよ」と気を使ってくれる。マスターと話した「あのひと」という意味は、お店の女の子とよくしゃべっていたスケベそうな男ということなのだろうか。あの子をお目当てに通っていたわけではないのに、いや正直に言えば少しあったかも知れない。
店内でひとりで飲むのは寂しいばかりではなく、お客でありながらママなどに気づかいをする自分を感じるのがつらい。そう言えば新宿ゴールデン街にあったバーでも同じような寂しい経験をしたことがある。
 鹿児島出身のママは小柄でグラマー、勝ち気でがんばり屋さんだった。銀座のホステスを経験し、この商売を学び、最初は新宿の”しょんべん横町”にお店を持ち、その後に歌舞伎町に進出、さらに小さなバーが集まる花の新宿ゴールデン街に店を持ったのである。ママがお店を移すたびにわれわれ常連客も移動した。
 しかし、バブルが弾け始めたころ、お客がめっきり減ってしまった。常連客が高齢化し、足が遠のいたことも大きな理由だった。私などは常連客のなかでは若手の部類に入っていたので、ときどき立ち寄っていたのだが、客数の落ち込みはうすうす感じていた。
 早い時間にお店に行くと、もちろんお客はひとりもいなくて、おでんなどのおつまみを必要以上に注文してしまうのである。1時間、2時間経ってもお客は入って来ない。もうこれ以上は飲めない、食べれないという満腹状態で、後ろ髪を引かれる思いで店を出たこともある。
 やがてママは、店を閉じた。いま、その店は×印の板でドアが閉められている。
地元の焼き鳥のお店も、駅前の居酒屋戦争のあおりを受けて、お客を奪われているそうだ。「うちはもう30年もこの場所でやっているの。こういうお店でも飲んでもらいたいわ」と、ママは言う。会計を済ませると「また、お邪魔します」と声をかけて外に出た。 
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<不定期連載> 夢幻流もの書き道場      上山明彦
            作家には学歴も年齢も関係ない
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 作家には学歴も年齢も関係ない。それは誰もが知っていることである。宮部みゆきも浅田次郎も4年生大学は出ていない。
 だが、作家や編集者、出版経営者の中には、学歴にこだわる人もいる。たとえばOO大学の先輩・後輩という関係で優遇してもらえる場合だってある。そういう人を私は見たことがある。
 作家の中には大学のブランドをひけらかす人もいる。私はそういう作家の本を読む気にはなれない。なぜならば、すでにそういう作家の器が小さいことがわかるし、そこからいい作品が生まれるとはとても思えないからだ。
 だから、読者の立場としても作家の卵の立場としても、学歴や大学のブランドはいっこうに気にする必要はないのである。
 今度は作家デビューする年齢のことを考えてみよう。宮部みゆきのように20代でデビューして各賞を受賞し、30代で直木賞を受賞するという華やかな人もいる。かたや松本清張のように42歳でデビューした遅咲き作家もいる。といっても松本清張は新聞記者で書くのは仕事だったから、素人だったわけではないが。
 若いといいものが書けないとか、早く書きすぎるという意見をよく耳にするが、私は長い間、そのことを考えてきて、ある結論に達することができた。やはり年齢は関係ない。作家である以上、自分に対して正直であれば、自分の気持ちをごまかしていなければ、年齢に関係なくプロデビューを目指したほうがいいと思う。
 自分が100%満足できる作品はそう書けるものではないが、最低限、読者の前に出しても恥ずかしくない作品を書く自信があるのであれば、10代だってプロになっていいと思う。
 もし作品にも自分自身にも納得できないものがあるならば、納得できるまで勉強を続け、遅咲きでデビューするものいいだろう。
 結局その段階では、他人は関係ないのだ。プロになってからは読者や周囲の人は大いに関係があるが、その前の段階では自分自身が問題なのである。
 機会があれば、最年少と最高齢でデビューした作家は誰なのか調べてみたいものだ。(上山)
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作家&出版人育成マガジン『パウパウ』  毎月1回発行
 編集発行人:上山明彦
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