やなせたかしの講演
以前、やなたかしのアンパンマンの主題歌について書いたことがある。アンパンマンのファン層の中心となっているのは、3歳から5歳くらいの幼児である。 歌詞の中に、「何のために生まれて、何をして生きるのか。わからないまま終わる。そんなのはいやだ」というフレーズがある。これが長年の疑問だった。幼児に対して、こんなむずかしい言葉を並べているのはなぜ?やなせたかしには、何か特別な意図があるのだろうか? ようやくその疑問を氷解させてくれる機会が訪れた。先週の土曜日のこと。鎌倉の建長寺でやなせたかしの講演を聴くことができたのである。 やなせたかしいわく。「幼児というのは、理屈抜きでそのまま言葉を理解できるんです。英語でもドイツ語でもそのまま理解できるんです。だから、私は自分の思っていることをストレートに幼児に伝えることにしています」 なるほど。たしかに「これはまだむずかしいから...」、「まだ早すぎるから...」というのは、幼児の理解力を低く見ていることになる。幼児の場合、仮に今わからないことでも、言葉をそのまま頭の中に記憶し、成長しながらその深い意味を理解していくものだ。 やなせたかしの話に納得し、自作の歌を交えたパフォーマンスに大笑いしながら、その日の講演会を満喫した。 |