わかりやすい著作権の基礎 第1回
著作権は裁判で争うようなことになると非常に複雑な問題が絡んできます。そういう場合は必ず弁護士に相談してください。
ここではあくまでも基本的な考え方を理解していただくために解説していきたいと思います。そういう前提で以下にお進みください。
一口に著作権といっても、そこにはたくさんの権利が絡んできます。それを少しずつ理解していくようにしましょう。
まずは、「著作者の権利」つまり「著作権」が、どんなものにどのように発生するかについて見ていきましょう。
1.「著作物」ってなに?
簡単に「著作物」と言いますが、法律ではその定義が次のようになされています。
「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」
具体的には、小説、講演、音楽、美術、写真、映画などが対象となります。近年では、プログラムやデータベースなども対象に加えられるようになりました。
ここで重要なのは、思想や感情を「創作的に表現したもの」であれば著作物と言えるわけで、その芸術性の高さ・低さ、つまり表現の上手下手は関係ないという点です。
よくウェブで日記や投稿などを見かけますが、芸術性がなくても、そこに書いた人の感情が個性を感じさせる文章で綴られていれば、それは問題なく著作物となるわけです。
ただし、単なるデータや創作性のない単なる事実を書いただけでは、著作物になりません。「富士山の高さは3776メートル」というのは単なるデータです。「2008年1月、中国製冷凍餃子から農薬が発見された」というのも単なる事実です。それだけでは不十分です。そこに何らかの創作性が加われば「著作物」と認められます。新聞記事が著作物と認められているのも、事実の報道の中に創作性が含まれているからです。
2.「著作者」はだれ?
「著作者」は、著作物を創作した人になります。
ただしこれも簡単でない場合があります。会社で雇われて仕事をしている場合や特別な契約で定められている場合など、従業員などが書いた作品の著作権が企業・団体に所属してしまうケースあります。
3.著作権はいつ発生するか?
著作物を創作した時点で自動的に発生します(無方式主義)。これは世間に発表したか否かを問いません。自分が書いたことが明らかであれば、未発表の物でも著作権が発生します。
4.著作権は制限されることも
私的使用のための複製や学校教育で利用されるなど一定の場合には、著作権が制限されます。
5.著作権の保護期間
著作権の保護期間は、原則として創作のときから著作者の死後50年まで保護されます。
映画の著作権は公表後70年まで保護されます。
ただし、アメリカ、イギリスなどでは法律で著作者の死後70年まで保護されています。それに合わせて日本も保護期間を70年にする法案が検討されています。
これに対して、著作者の権利保護と文化の発展に貢献するという賛成論と、期間の延長が逆に文化や学問の発展を妨げてしまうという反対論があり、激しい論争が繰り広げられています。
私にも考えがありますが、それについては別の場で述べることにします。
6.著作者の権利は複雑
「著作者の権利」つまり著作権は、「著作者人格権」と「著作権(財産権)」に分けられます。
●著作者人格権は次の三つに分けられます。
公表権
氏名表示権
同一性保持権
●著作権(財産権)は、次の11の権利に分けられます。
複製権
上演権・演奏権
上映権
公衆送信権等
口述権
展示権
頒布権
譲渡権
貸与権
二次的著作物の創作権(翻訳権・翻案権等)
二次的著作物の利用権
さあ、ここまで調べてきただけでも著作権を理解するのが、意外と大変なことであることがおわかりいただけたと思います。
6番の項目については、引き続き次回勉強していきましょう。
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