わかりやすい著作権の基礎 第3回
今回は、著作権の違ったパターンについて解説してみたいと思います。
一般的に言われている「著作物」は、次のような種類に分けられます。著作権法で挙げられている例です。
■著作物の種類
●言語の著作物
講演、論文、レポート、作文、小説、脚本、詩歌、俳句など
●音楽の著作物
楽曲、楽曲を伴う歌詞
●舞踊、無言劇の著作物
日本舞踊、バレエ、ダンス、舞踏、パントマイムの振り付け
●美術の著作物
絵画、版画、彫刻、マンガ、書、舞台装置など(美術工芸品を
含む
●建築の著作物
芸術的な建築物
●地図、図形の著作物
地図、学術的な図面、図表、設計図、立体模型、地球儀など
●映画の著作物
劇場用映画、アニメ、ビデオ、ゲームソフトの映像部分などの
「録画されている動く影像」
●写真の著作物
写真、グラビアなど
●プログラムの著作物
コンピュータ・プログラム
上記にあてはまらない場合、著作物かどうかは個別に判断する必要があります。もしそういうケースに直面したら法律の専門家に相談することをお薦めします。
著作権が発生するのは、個人が文章を書く場合に限りません。それについて説明しましょう。
■編集著作物「データベースの著作物」 まず、「編集」することによって著作権が発生するものがあります。
例えば、著作権がないか、著作権が切れた素材を集めたとしましょう。それを百科事典かデータベースに収録するとします。
その過程で編集者は、どうやって素材を選択するか、そうやって素材を並べるか(配列)、利用する人が検索しやすいようにいかに体系的に分類し構成していくか、創意工夫するに違いありません。
そこに「創作性」が出てきます。そうやってできあがったものは、「編集著作物」あるいは「データベースの著作物」として保護されます。
今は著作権がないか切れた素材を対象に説明しました。その場合、素材は誰の承諾も得る必要はありません。
もし著作権があるものを対象にした場合は、それそれの著作権を持っている人(著作権者)の承諾を得た上で編集著作物をつくる必要があります。その点に注意してください。
小説、ノンフィクション、実用書などの著作物は、著者の原稿を元に編集・レイアウト・装幀デザインを行い、印刷製本したものです。著者に著作権があるだけでなく、版元に編集著作権が発生します。
したがって本を利用する場合は、著作権だけでなく編集著作権にも配慮する必要があるのです。例えば本を不正コピーした場合、著作権tの編集著作権の両方を侵害したことになります。
■ニ次的著作物 原作があり、それを別の形に変えた場合に発生する「二次的著作物」というものもあります。
外国語で書かれた原作を日本語に翻訳したものは、「二次的著作物」となり、翻訳者が著作者となります。
小説を脚本にしたり映画化したりした場合も同様に「二次的著作物」となります。
音楽において、原曲を編曲した場合も「二次的著作物」となります。
二次的著作物をつくろうとする人は、原作の著者の承諾を得ることが必要になります。
翻訳物、編曲された曲、脚本、映画などの二次的著作物を利用したい人は、原作と二次的著作物の両方の著者から承諾を得る必要があります。
例えば、新選組を題材にしたテレビ時代劇をつくると仮定しましょう。脚本家がまったく自分の研究と取材から新しい脚本を書く場合は、オリジナル作品ですから「二次的著作物」とはなりません。どの原作者から承諾をもらう必要もありません。
しかし、その脚本が既存の小説をベースに書かれようとしている場合は、その小説家(亡くなっていれば遺族)の承諾が必要になります。
■共同著作物
書籍ではよく「共著」というものを見かけますが、これも「共同著作物」の一つです。二人以上の人が共同した創作したものは共同著作物となります。
投稿サイトで複数の人が投稿した内容を本にした場合、これも共同著作物となります。
こうした本は、著者全員が書いたものを一つにまとめたものであり、バラバラに分けてしまうと著作物として成り立ちません。そういうものを「共同著作物」と言います。
二つ以上の独立した著作物を単に一つの作品にまとめた場合、それは「結合著作物」と言います。具体的には、小説と挿絵、作曲と作詞などがそれに当たります。
共同著作物の権利は著者全員に属します。権利を行使する場合も、全員一致で行使する必要があります。その著作権は、最後の著者が死亡した時点から起算されて保護されます。
著作権てほんとうに複雑です。まだまだ続きます。
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