らく  ぶん きょう  しつ   
小中学生のための文教室       上山 明彦著

小説や童話を構成している要素を知ろう

 私の書くスピードが遅いために、このコーナーも更新が遅れていますね。楽しみにして待っている人に申し訳ありません。え、誰も待っていない1? そうですか、それなら気楽です(笑い)。このままのスピードで進めていきたいと思います。

 今回は小説や童話(以下ひとまとめに小説と書きます)がどういう表現方法で構成されているかについてお話ししましょう。ちなみに構成とは「いくつかの要素を組み立てて一つのものにこしらえること」と広辞苑に出ています。
 小説は基本的に状況説明、風景描写、心理描写(独り言を含む)、人物描写(人の容姿、表情、しぐさ、動きなど)、セリフから構成されます。これについて順に説明していきます。

●状況説明とは
 その小説の時代背景や登場人物の名前、性別、年齢、職業、生活環境などを説明する文章のことです。
 本来は小説の中で出来事を描く中で、自然に状況がわかるように描くのがもっとも良い書き方です。
 たとえば、「佐藤はコンピュータで有名な平成コンピュータ機械に出勤した」と書けば、彼はコンピュータ企業に勤めるサラリーマンだなとわかるわけです。登場人物のセリフの中で「佐藤部長、日曜日にゴルフに行きませんか?」と言わせれば、彼はある程度年輩の管理職だなとわかります。服装やヘアスタイルや態度、言葉遣いを描くことで、彼の人物像や生活環境を浮き彫りにすることができます。
 これに対して、へたな作家は最初のページで「佐藤太郎、54歳。大企業である平成コンピュータの部長。趣味はゴルフ」というふうに書いてしまいます。これでは味気ないですね。そういう小説はけっこうあります。それを手本にしてはいけません。
 ただ、短編のようにどうしても枚数が制限されていて、状況説明を書くことで枚数を調整することができる場合は、そういう方法を取ることもやむをえないでしょう。
 また、歴史小説、時代小説のように、現代人にはわかりにくい歴史の流れや時代背景を状況説明で書くことも必要な場合があります。
 結局のところ、状況説明は必要最小限に抑えて、できるだけ自然な話の流れの中で書くということになります。

 次回からはその他の要素について説明していきます。
 (続く)

(2007.6.15)

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