らく  ぶん きょう  しつ   
小中学生のための文教室       上山 明彦著

物語(ものがたり)の視点を知ろう (1)

 今回から小説を書くために知っておかなければならないことについて解説していきます。(物語性があるものすべてをここでは「小説」と呼んでいます)。
 まずは「視点」。近くにある小説を開いてみてください。どんな小説にも、「私はああした、こうした、こう思った」か、「Aは(たとえば佐藤は)ああした、こうした、こう思った」というように書いてあります。
 小説の中で繰り広げられる話を誰の目で見ているのか、そこが大切です。いつも「私」を通して話が語られ、出来事を見ていくのが、「私の視点」です。ふだんの私たちの生活と同じ視点ですね。

 一方、登場人物のすべての性格も経験も心の中(心理)もわかる、どこで何が起きたかもわかる。そういう書き方もあります。読み手はアメリカでもフランスでも宇宙でも、誰が何をして何を考えているか知ることができます。
 その世界のことを何でもお見通しなのですから、この視点のことを「神様の視点」と呼びます。

 小説の視点は主にこの二つしかありませんが、「神様の視点の変形版」といえるものもあります。それはある登場人物の目を通して他人の行動や心理がわかるという語り口です。「私」は登場しません。一見「神様の視点」に似ていますが、少し違うのです。こういう視点のことを、よく「目がAの肩の上についている」、「目線がAの肩の上にある」という言い方をします。(次回に続く)

 この連載もふと気が付いてみたら1年も空白期間がありました。反省して、しっかり続けていきます。ご期待ください。

(2006.7.3)

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