読者相談コーナー

5年ほどビジネス書のライティングに携わっています。版元の意向で仕事 をこなすことの限界を感じ、意欲を失いそうです。自分の企画は、自分の 思うように実現させたいからです。意欲を失わずに仕事を続けるためには、 発行人(版元)になることだと考えています。そこで、発行人になるため の方法やプロセス、何がネックになるか、必要な資金などについてアドバ イスをお願いします。(都内在住、40代フリーライターのSさんより)

<回答者:久和山武輝>
 現在のところ私がアドバイスできることは、ライティングの経験を積ま れたほうが、賢明ですということです。
 趣味や道楽で発行人になるのは、簡単です。いつでもだれでもなれます。 しかしビジネスとして、発行人になることは別問題です。現状では、おす すめできません。手持ちの企画が、おありとのことですが、最低毎月発行 でき、3年程度継続できる態勢と資金がないと、ビジネスにはなりません。 発行しても、販売を委託できる取次ぎ店が無いと年に10冊売るのも大変 なことです。取次ぎ店と新規に取引するには、実績がないと難しいでしょ う。書店に直接持ち込んでも、近所の顔見知りの書店以外は多分相手にさ れないでしょう。ダイレクト販売するにも、それなりの態勢が無いと売れ ません。売れないと資金の回収ができません。お手持ちの資金として約1 億円程度は、必要でしょう。それでも成功の確率は保証できません。
 版元の意向でする仕事は、意欲がわかないとのお気持ちは理解できます。 それでは、Sさんのオリジナル企画を版元に売り込んでみては、いかがです か。版元はたくさんありますので、企画に合った版元に売り込むことです。 可能性が高い方法として、以前より取引のあるビジネス書の出版社に売り 込んでみてはいかがですか。
 出版社が買ってくれない企画では、読者はお金を払ってくれません。 売り込んだ企画が、次々にヒットしてから、ご自分でおやりになることを 実行されても遅くはありません。その間、版元の仕事のやりかたを勉強し てください。編集ライターとして、編集プロダクションとして経験を積ま れてから発行人になることを、おすすめいたします。
 いますぐはじめても、借金の山になりそうなので端的にお話ししました。 夢を壊すようなアドバイスになりましたが、夢は末永く持ち続けましょう。
 (読者からの相談を受け付けていますが、必ず回答するものではありません。)



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